機械メーカーの調達担当者の皆さん、こんな経験はありませんか?
機械1台分の部品を手配するために、何百枚もある図面を1枚ずつ確認して、部品の形状ごとに仕分けして……。四角い部品はマシニングが得意なA社、B社、C社、丸物は旋盤が得意なD社、E社、F社、複数工程の部品は完成品で納入してくれるG社、H社……という感じ、複数の加工会社に見積依頼をして、最も見積が安いところに発注。納期調整、納期管理をして、品質確認して、不具合があれば修正または再製作……。気が遠くなるような手間と、加工に関する専門知識が必要な、大変な仕事だと思います。
そんな調達業務の悩みを一気に解決する方法があります。それが、愛知県春日井市にある榊原工機が提供する「図面まとめて手配サービス」です。今回は、実際に図面500枚超の装置部品を一括で手配した事例をもとに、このサービスの詳細について榊原社長に詳しく聞いてみました。
従来の調達方法の課題とは?
まず、従来の調達方法がどれだけ大変かを整理してみましょう。機械1台分の部品を調達する場合、一般的には次のような手順が必要になります。
1. 図面の仕分け作業
• 四角い部品(ブロック、ブラケットなど)→マシニングセンター対応の会社
• 丸物部品(ピン、ボルト、支柱など)→旋盤対応の会社
• 高精度部品→ワイヤーカット設備のある会社
• 複雑形状部品→5軸加工機対応の会社
• 板状の部品→板金・レーザーに対応できる会社 など
2. 各社への見積依頼と調整
• 複数社への見積依頼
• 納期調整
• 価格交渉
• 発注手続き など
3. 進行管理と品質管理
• 各社の進捗確認
• 納期管理
• 納入時の受け入れ検査
• 不具合発生時の対応
4. 後工程の手配
• 焼入れ・表面処理など専門業者の手配
• 部品の納入を確認して専門業者に届け、回収する横持ち業務
• 各工程の進捗管理・品質管理
これらの作業を考えると、調達担当者1人では到底手が回らないのが現実です。榊原社長も「設備メーカーさんが何軒かで相見積を取っていた様子を見ていて大変そうだったので、こういう手間を全部任せてもらえれば、私たちがお役に立てると思いました」と話してくれました。
榊原工機の「図面まとめて手配サービス」とは?
そこで榊原工機が提案するのが、図面を丸ごと一括で手配するサービスです。図面が何百枚あっても、榊原工機に丸投げしていただければ、責任持って良品をお届けするというこのサービスについて、詳しく見ていきましょう。
榊原工機の最大の強みは、社内に多種多様な加工設備を揃えていることです。
[社内設備ラインアップ]
• 汎用旋盤からNC旋盤、複合加工機まで各種旋盤
• 汎用フライスからマシニングセンター、5軸加工機まで
• ワイヤーカット加工機2台
• 各種測定・検査設備
「社内でやれるものは社内で加工して、できないものは信頼できる協力会社さんに手配する。でも最終的な品質保証は全部当社で責任を持つところが特徴です」と榊原社長。このスタイルにより、発注者は窓口を一本化することができるので、大幅な業務効率化につながります。
実際の手配事例:図面500枚の装置部品を一括対応
先日、榊原工機では設備メーカーからの依頼で、図面500枚超の装置部品を一括で手配しました。この事例を詳しく見てみましょう。
案件概要
• 図面枚数:500枚超
• 部品数:1個~最大12個(機械1台分の切削部品)
• 納期:2ヶ月(比較的余裕のあるスケジュール)
• 加工種類:旋盤、フライス、ワイヤーカット、複合加工機など多岐にわたる
製作部品の例
• ブロック(マシニングセンターで加工)
• ピン(旋盤で加工)
• ボルト(旋盤で加工)
• ブラケット(マシニングセンターで加工)
• フランジ(旋盤とマシニングの複合加工)
• ベース(マシニングセンターで加工)
• 支柱(旋盤で加工)
材質も表面処理もバラバラでも、まとめて手配できる
ピン、ブラケットなどが混在した一括手配事例
これらの部品は、単純に板に穴を開けるものから、アングルを切削で削り出すような複雑なものまで、本当に様々な形状が含まれていました。「まさにてんこ盛りの内容でした」と榊原社長は笑いながら振り返ります。
この案件で特に評価されたのが、複数工程にわたる部品の一括管理です。
「表面処理や研磨、焼入れなどの後工程や、当社設備では加工できないサイズのものは、基本的には協力会社さんにお願いしています。ただし、協力会社さんに出すものも含めて、最終的な品質保証は全て当社で責任を持ちます」と榊原社長。外注先についても、長年の信頼関係を築いたネットワークを活用し、品質については万全を期しているとのこと。「一部工程については中国の協力会社にお願いすることもありますが、もちろん最終的な品質確認を当社で行ってから納品しますので、安心してご依頼いただければ」とのことです。
サービス利用のメリット
榊原工機の「図面まとめて手配サービス」には、調達担当者にとっては次のようなメリットがあります。
1. 圧倒的な業務効率化
従来なら複数社への見積依頼、進行管理、品質管理が必要だった作業が、榊原工機への一本化で完結します。調達担当者の工数を大幅に削減できるのは大きなメリットです。
2. 責任の一元化
「万一不具合があっても、当社で一括対応いたします」と榊原社長。複数の加工会社に発注した場合、問題が発生したときの責任の所在が曖昧になりがちですが、このケースでは榊原工機が全て対応してくれるので、安心してお願いできそうです。
3. コストメリット
意外に思われるかもしれませんが、コスト面でもメリットがあります。「今回の案件でも、設備メーカーさんが他社で取った見積よりも安い価格で対応できました」と榊原社長。工程集約による効率化、材料などをまとめて手配できるスケールメリット、最適な外注先選定などの複数の要因により、トータルコストを抑制できるケースが多くなっています。
4. 品質の安定化
榊原工機では全ての部品について社内で最終検査を実施。「外注に出した部品も含めて、当社の品質基準で検査してから出荷します」。これにより、品質のバラつきを防げます。
対応可能な加工の範囲
榊原工機が社内で対応可能な加工の範囲は幅広く、まさに「手のひらサイズの部品なら何でも」という状況です。
[切削加工全般]
• 旋盤加工(汎用旋盤~複合加工機)
• フライス加工(汎用フライス~5軸加工機)
• ワイヤーカット加工
• 穴あけ、タップ加工
[材質]
• 鉄系材料(SS400、S45C、SKD11など)
• ステンレス(SUS304、SUS316など)
• アルミニウム(A5052、A6061など)
• 真鍮、銅
• 樹脂材料
榊原工機の得意分野について、こちらのページで詳しくご確認いただけます。
https://www.sakakibara-kouki.co.jp/specialty/
「基本的に手のひらサイズの部品であれば、材質や形状を問わず対応可能です」と榊原社長。もちろん、手のひらサイズより大きな部品についても、協力会社を含むネットワークで対応できるので、図面を全部渡していただいて大丈夫、ということです。
「図面まとめて手配サービス」は、こんな方におすすめ!
機械メーカーの調達担当者
• 装置1台分の部品を効率的に調達したい
• 複数社への発注管理が負担になっている
• 品質管理の工数を削減したい
商社の調達担当者
• 顧客からの一括発注案件に効率良く対応したい
• 信頼できる外注先を確保したい
• 納期遵守を確実にしたい
メーカーの設計・開発部門
• 試作から量産まで一貫して任せたい
• 加工性を考慮した設計相談をしたい
• 短納期で試作品が必要
まとめ:名古屋エリアで頼れる調達パートナー
今回ご紹介した「図面まとめて手配サービス」は、調達業務の効率化を求める製造業の皆様にとって、非常に有効なソリューションです。図面500枚超の実績が示すように、榊原工機なら大型案件でも安心して任せることができます。
愛知県・名古屋エリアで機械部品の調達にお困りの方、複数社への発注管理でお悩みの方は、ぜひ榊原工機にご相談ください。旋盤、マシニング、5軸加工機、ワイヤーカットなど、豊富な設備と長年培った技術力で、皆様の「困った」にお応えします。
「お手元に図面の束があったら、ぜひ一度当社に丸投げしてみてください。きっとその便利さを実感していただけると思います」と榊原社長。調達業務の悩みを一気に解決する、頼れるパートナーがここにあります。
(インタビュー・構成=ものづくりライター 新開潤子)
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